国際委員会・企画調査委員会
第2回DISC(Distinguished Instructor Short Course)が、平成11年9月20日(月)に東京大学構内の山上会館において開催されました。DISCはSEG (Society of Exploration Geophysicists:米国物理探査学会)が1998年から開始した物理探査技術に関する教育講座であり、学界ならびに業界において話題となっているテーマとその分野における優れた講師を選択し、世界の各国においてその国の物理探査学会と共同して講演会を開催しています。また、講義期間中の講師の旅行費や滞在費はSEGが負担しており、SEG及び開催国における物理探査学会の両者の学会員は、参加費が無料となっています。

今回の講師は米国Unocal社のSchultz博士であり、"The Seismic Velocity Model as an Interpretation Asset"いう題名で講演が行われました(添付写真を参照)。同氏は、米国Stanford大学のClaerbout教授の元で博士号を取得した後に、米国Digicon Geophysical 社のHouston本社に入社し、同社における3D Prestack Depth Migrationに係わる初期のソフトウェアの開発に携わられました。その後、同氏は米国Schlumberger社に移籍し、1984年から1987年にかけては同社の淵野辺研究所において地震探査データ会話型解釈システムの開発の責任者として従事され、引き続いて同社のLondon事務所、Paris事務所、およびHouston事務所においてEngineering Managerとして勤務されました。その後、Advanced Data SolutionのHouston本社において開発分野のVice Presidentとして活躍されました。現在、同氏は米国Unocal社の一部門であるSpirit Energy社においてConsulting Geophysicistとして勤務されています。
日本国内におけるDISCの開催は昨年に続いて2回目であり、今回の講演においては事前に79名の申し込みがありました。講演当日には朝早くから参加者が会場に集まり、総勢72名の参加となり、講演会場はほぼ満席となりました。講師であるSchultz博士は、今年初めから米国内を始めとして世界各地においてDISCの講演をされており、講演の2日前にオーストラリアから日本に到着されました。また、日本におけるDISCの講演が終えた後に中国において講演を行い、その後にHoustonに帰る計画であり、今回のDISCの全行程は約1ヶ月の予定とのことです。
今回の講演では、たくさんのケース・スタディを事例として引用しながら、地震波の伝播速度を反射法地震探査における重合速度や時間断面から深度断面に変換する際のパラメータとして取り扱うだけでなく、それを拡張して「反射法地震探査の結果を解釈する際のツールとして用いる速度モデル」に関して紹介されました。具体的に、そのケース・スタディは以下の通りです。
講演の後に講師であるSchultz博士に問い合わせたところ、上記のような多くの石油開発会社からの情報は、全て同氏と各石油開発会社の技術者との個人的な付き合いを通じて、各会社から発表許可を得ているとのことであり、こうした多くの事例を紹介できることは、同氏の見識の広さを物語っています。講演の際には、各テーマ毎に質疑応答の時間が設けられ、活発な意見の交換が行われました。また、参加者の中には、講演が終了した後に個人的に講師と直接議論する方もあり、有意義な講演となりました。
SEGでは、来年度(2000年)に"Shear Waves from Acquisition to Interpretation"いうタイトルでGarotta博士(元CGG社)によるDISCを計画しており、6月中旬に日本で開催したいという打診が物理探査学会まで届いています。今回のDISCに参加された方々からのアンケートによりますと、是非引き続き東京で開催して欲しいという意見が多いことから、来年度も国際委員会および企画委員会が世話役となって、開催を予定しています。多くの学会員の参加を期待しています。
(文責:国際委員 天野)